2025.10.21
ベトナム開発チームとの協働を成功させるコツ
- オフショア協働
- ベトナム開発
- ラボ契約

ベトナムは今、日本企業にとって最も信頼される開発拠点のひとつです。
優秀なエンジニア、安定した英語・日本語スキル、そして真面目で協調的な国民性。これらの特徴により、オフショア開発の中でも成功率が高く、ラボ契約との相性も抜群です。
しかし、距離や文化の違いを越えて「一体感のあるチーム」として動くためには、いくつかのコツがあります。ここでは、ベトナムチームと協働する際に押さえておくべきポイントを、実践的に整理します。
ベトナム開発チームの特徴を理解する
まずは、相手の強みと文化的背景を理解することが大切です。
| 観点 | 特徴 | 開発上のポイント |
|---|---|---|
| 技術スキル | Web・モバイル・AI分野に強く、最新技術への吸収力が高い | 技術的提案を歓迎し、裁量を持たせると成果が出やすい |
| コミュニケーション | 英語・日本語ともに一定レベルを保持 | 明確な指示・構造化された会話が好まれる |
| チーム文化 | 協調性が高く、チームプレーを重視 | 感情的な衝突を避け、ポジティブな空気づくりが重要 |
| 労働観 | タイムラインを守る真面目さと責任感 | スケジュールや目的を明確に伝えると安定した成果が出る |
ベトナムのエンジニアは「論理的で誠実」な一方で、「日本的な曖昧さ」には戸惑うことがあります。
成功のカギは、“相手の得意な領域で勝負させること”です。
① 「請負」ではなく「共創」マインドで関わる
オフショア開発を単なる「外注」として捉えると、チームは指示待ちになります。
しかし、ラボ契約ではチームを“事業の共創者”として迎え入れることが重要です。
効果的な共創コミュニケーションの例
プロジェクトの背景・ビジネス目標を最初に共有
「この機能の狙い」や「最終的な価値」を説明
開発レビューの場で意見交換を歓迎する姿勢を見せる
目的を共有すれば、チームは「言われたものを作る」のではなく、「より良くするには?」と考えるようになります。
② 指示は“3点セット”で伝える
文化の違いによって、曖昧な指示は誤解を生みます。
伝える際は以下の3点セットを必ず意識しましょう。
明確な指示の3点セット
目的:なぜその作業を行うのか(背景)
期待する成果:何をもって完了とするか(定義)
期限:いつまでに必要か(優先度)
例:
「この修正はUX検証のために必要です。金曜までにユーザーが操作できる状態を目指してください。」
このように背景と目的を添えるだけで、作業の質が格段に上がります。
③ フィードバックは「率直+ポジティブ」に
日本では遠回しな表現が多いですが、ベトナムでは明確でポジティブな指摘が好まれます。
評価も改善も、ストレートに伝えたほうが誤解がありません。
| NGな例 | OKな例 |
|---|---|
| 「もう少し頑張ってください」 | 「このコードは読みやすくなりました。次はパフォーマンスを意識してみましょう」 |
| 「ちょっと違いますね」 | 「目的と少しずれています。意図はこうでした。」 |
ポジティブフィードバックの習慣は、チームの信頼を強化する最短ルートです。
時差を活かした“連続開発リズム”をつくる
日本とベトナムの時差はたった2時間。
このわずかな差をうまく使うと、ほぼ24時間開発に近いサイクルを作ることができます。
理想的な日越チームの1日の流れ(例)
| 時間帯(日本時間) | 主な活動 | 担当 |
|---|---|---|
| 9:00〜10:00 | 日本側で朝会・優先タスク整理 | 日本 |
| 11:00〜17:00 | 双方のオーバーラップタイムで開発・レビュー | 日本+ベトナム |
| 17:00〜19:00 | ベトナム側が引き継ぎ&日報共有 | ベトナム |
| 翌朝 | 日本側が成果物を確認・次タスク定義 | 日本 |
このように“時差を前提にしたリズム設計”をすることで、
「連続的に動く開発ライン」ができ、スピードと効率が一気に上がります。
オフラインの“リアル接点”を戦略的に持つ
オンライン中心でも、半年に1回の対面交流は大きな意味を持ちます。
現地訪問や共同合宿を行うことで、文化理解が深まり、信頼関係が一気に強化されます。
リアル施策のおすすめ例
ベトナム現地での開発合宿
日本出張時のチーム懇親会
オフラインワークショップでのデザインレビュー
こうした“リアルな時間”は、オンライン上のスムーズな協働にも波及します。
BUILD PARTNERが実現する「日越ハイブリッド開発」
lanitechの「BUILD PARTNER」 は、
日本(PM・上流工程)× ベトナム(開発チーム)によるハイブリッド型ラボ開発体制を構築しています。
特徴
日本側PMが要件整理・品質管理・スプリント設計を担当
ベトナム側がスピーディに実装を進行
チーム全体が「共創」意識を持つようオンボーディング支援
Slack・Notion・ClickUpなどのツールを共通基盤に統一
メリット
コストを抑えつつ、日本品質の開発を維持
言語・文化のギャップをPMが吸収し、スムーズに橋渡し
長期的なナレッジ蓄積で、次の開発サイクルに学びが活きる
BUILD PARTNERでは、単なる外注体制ではなく、“拡張された自社チーム”としてベトナムラボを位置づけています。
チームが成長するほど、クライアント企業の技術資産も育ち、開発力そのものが組織に残ります。
海外チーム協働を、リスクではなく“武器”に
海外との開発協働は、かつて“コスト削減手段”と見られていました。
しかし今は、「世界規模でチームを組む時代」です。
距離を越えたチーム運営のノウハウこそが、企業競争力の源になります。
もし今、海外開発に不安や課題を感じているなら、
BUILD PARTNERのハイブリッド型ラボ体制が、その第一歩を支援します。
“国境を越えて、ひとつのチームになる”――それが、私たちの理想とする開発のかたちです。
監修者

西脇 靖紘(lanitech合同会社 代表取締役CEO 兼 CTO)
「テクノロジーで人と社会をつなぐ」をミッションに、企業のDX推進・AI導入支援から、デジタル教育・地域共創まで幅広く活動。エンジニアとしての現場経験と経営視点を活かし、外部CTO・AIコンサルティングなどを通じて企業のデジタル変革を支援している。著書はオライリー・ジャパンから複数刊行。











